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誰でも学べる1時間プログラミング

今週はComputer Science Education Weekといって、子供達にコンピューターサイエンスに触れさせ、興味を持ってもらうというプログラムがアメリカ各地で行われています。毎年行われていますが、今年はCode.orgという組織がドライブしてHour of Codeというムーブメントを展開しています。

これは、業界を問わず様々なことがコンピューター/ソフトウェアで行われる時代に、老若男女誰でもが、その仕組み、つまりプログラミングについて、ちょっとでも触れ知識を持つことが重要だとし、1時間のコーディング体験を提供するものです。

主体のCode.orgが提供するのは、動画とゲームを組み合わせた1時間弱の実践オンライン講座で、インストラクションをするのは、かのBill GatesやMark Zuckerberg。モチベーショナルビデオには業界を超えてNBAプレーヤーやWill.i.amなども登場し、なかなか豪華。レッスンにはAngry birdsやPlants vs. Zombiesといったゲームを活用し、迷路の中を歩かせることからはじめ、徐々にループやIfを使って応用ができることを示します。

私もやってみましたが、非常にわかりやすく、面白くできていました。このレッスンではコードを実際に書かせるわけではなく、Googleのblocklyというビジュアルエディターを活用していわば概念をドラッグ&ドロップで組むのですが(解答を見る際に、コードを表示というリンクをクリックするとJavaScriptでの表記が確認できます)、これは個別のプログラミング言語を学ばずに大枠のコンセプトで学べるという点でとても効果的だと思いました。また人気のゲームキャラを使って、自分でコードを組みそれがすぐ画面に反映されるというのは、やはりとてもキャッチーで良いと思います。私が大学ではじめてコンピューターを習った際にはUnixでHello worldからはじめたと記憶してますが(う、年齢ばれるかw)、自分が普段使っているようなアプリ等との関連が見えるような親近感がありビジュアルにもすぐれているほうが、やっぱりとっつき易いと感じます。

もちろんたった一時間でプログラミングができるようになるわけではないですが、あくまでも興味をもつきっかけ作りには良くできています。サイトではBeyond One Hourとして、その先にできる各種講座も用意されていて(無料)、いづれも楽しそうです。また、このHour of CodeはCode.orgだけでなく、賛同する団体や個人が多数、アプリやオンライン講座、学校や地域各所でのレッスンを提供していますので、興味・レベルに応じて多くのチョイスがあります。

もちろんプログラミング経験が全くない文系の方には特にお勧めなのですが、既に関連業界にいらっしゃる方にとっても、「素人に複雑なことを説明するにはどうすれば良いか」という点でとても参考になると思いますので、ぜひ小一時間割いて頂けると良いかと。また、各種の講座を眺めるだけでも、たった一時間でこれほどのことが伝えられるのか、と感心することも多々あるので、検索してみると良いと思います。

ほんと今の時代は無料でいろんなことが学べるようになったなーと感慨深く思う一方で、こういうことを著名人とかくっつけてガツンとムーブメントにもっていくというのはアメリカの強みだなーと思ったりします。

では今日はこの辺で。

 

リーンスタートアップの実践

しばらく前にシリーズとして書いていたリーンスタートアップについてですが、そういえば最近ご無沙汰気味だったので今日はその件を。

本ブログ及びSlideshareでリーンスタートアップのすごく簡易なまとめをいくつか掲載しているんですが、お蔭様で多数の方々が閲覧して下さっているようです。特にMVPはなんと65,000弱の閲覧数。ほんまかいな。

まあ、いずれにせよ関心が高いようですので、今後またリーン関連には力をいれることにします。もうちょっと色々書くつもりでいたのが延び延びになってしまっていましたし。

さて、関心の高さにもかかわらず、日本での実践ケースをあまり目にすることがないという実情がありますが、今日は、数少ない例として、お友達のスタートアップTokyo Otaku Modeの話をシェアします。

Tokyo Otaku Modeは日本が誇るポップカルチャー(主にオタク文化)を世界に発信するスタートアップですが、創業当時は皆本業を抱えながらサイドで行ったプロジェクトであったにも関わらず、現在ではFacebookページで1400万弱の驚異的いいね数を誇るとっても人気のあるサービスへと加速成長中であります。

その成長の秘訣のひとつはリーンスタートアップの実践のようです。社内ではリーンスタートアップの書籍の要点をわかりやすい日本語でまとめて共有しているとのこと。詳細はブログ記事「リーン・スタートアップを実践して分かった5つのこと」で垣間見ることができます。記事ではリーンスタートアップとは何か、気をつけるべき点・重要な点は何かなどに触れていて、リーンスタートアップに関する日本語の文献としては非常に包括的でわかりやすいものだと思います。ぜひご参照あれ。

関心の高いMVPという概念は、何となく分かるようでいてでも実際に把握するのが難しいものだと思います。記事中にTokyo Otaku ModeがECサービスを始める際の例がありますので、以下抜粋します。

ちなみに、Tokyo Otaku Modeでは、日本のアニメグッズを海外に販売する海外ECを主力事業として進めていっていますが、最初は複数商品を購入できるショッピングカート機能と いう、ECでは当たり前の機能さえなかったのです。僕が考える海外ECの最低限の機能は、「商品が買える」「商品がお客さんに届く」こと。これ以上は 「リーン・スタートアップ」の概念からすると余計な機能です。「複数の商品がまとめて買える」機能はおろか、最初は「購入ページ」が1枚あるだけで、 「トップページ」も「商品の一覧ページ」もありませんでした。そもそもニュースメディアだったTokyo Otaku Modeのファンが海外ECというサービスを使ってくれるかどうかわからない状況では、「お客さんが海外ECサービスを使ってくれるかどうか」の検証がま ず先なのですね。

端的に言うとかなりのそもそも論を検証するのがMVPの役割です。MVPには様々な形がありますが、鍵は、検証すべきことは何かをきちんと一歩引いて考え、それを検証するのにもっとも近道となることを具現化することです。最小限機能のサイトかもしれないし、動画やパワーポイント、或いは人力とのコンボという場合もあります。これには常識やそれまでのやり方から一歩離れて考える必要があり、クリエイティビティが要求されます。このような他社の事例を見てみるのもアイディアの参考になるでしょう。

他にも有用な点がたくさんありますので、ぜひ上記ブログ記事読んでみてください。

では今日はこの辺で。