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グロースハックのタイプと事例

日本でも近頃グロースハックが話題のようですね。グロースハックはエンジニアリング主体のチームでもできますし、結果が目に見えて分かりやすいということも手伝って広まっているのかと思います。

もちろん非常に重要なスキルですし、ぜひぜひ皆さん行って欲しいですが、一点だけ強調しておきます。それは、以前にもちょっと触れましたが、Growth Hackはプロダクト/マーケットフィット(PMF)に到達してから行うものだということです。近頃は言葉が独り歩きするようになって、そこに到達するまでのユーザー獲得活動も広義にGrowth Hackと呼ばれることもなくはないのですが、本来これはユーザー獲得をスケールさせることであり、「これでいける」というPMFに到達していない限り、ユーザー数を増やそうとしてもザルになったり、成長している幻想が生じてLiving deadになる場合が多いので、アクセルの踏みどころを注意する必要があります。

前置きが長くなりましたが、Growth Hackを学びたい方に非常に分かりやすくまとまったスライドを見たのでシェアしますね。Digital TelepathyのMorgan Brownによるものです。グロースハックのタイプとそれぞれの事例がとても参考になります。翻訳は省きますが、英語等の質問があればコメントください。

Growth Hacking Basics from Morgan Brown

では今日はこの辺で。

著名なVCやエンジェルから投資を受ける珈琲屋さん

サンフランシスコ発のグルメコーヒー屋さんの一つにBlue Bottle Coffeeというのがあります。(本社地は対岸Oaklandですが)

2005年に最初のお店がオープンし、それは当時住んでいた家から徒歩5分ほどのところで、Hayes Valleyの目抜き通りのちょっと手前にある確かデザイン会社かなんかのガレージを改造したお店でした。お店といってもカウンターごしにコーヒーを買うだけで、座るところは道端くらいなものでした。

お洒落で凝っていて美味しく、当時は近かったので週末に散歩がてら足を運んでいましたが、正直こんなに成長するとは思ってもいませんでした。今ではサンフランシスコ市内に5店舗、ニューヨークに5店舗あり、サンフランシスコの他のカフェでもBlue Bottleの豆を使うところも増えましたし、何よりもTwitterをはじめとするスタートアップの多くで社員に提供されています。

で、このBlue Bottle、本日$25.75Mの資金を調達しました。2012年の終わりごろにも$20Mを調達していて、今回が2度目です。チェーンとして拡大するにはお金必要だよね、というのはわかるんですが、驚きなのは投資家の顔ぶれ。どこぞのホットなスタートアップだろうと思わんばかりのVC、エンジェル/起業家のオンパレードなのです。

VCではIndex Ventures, Google Ventures, True Ventures, Morgan Stanley Investment Management (fund) などが投資しており、個人ではInstagramのKevin Systrom、Twitter/MediumのEv Williams、WordPressのMatt Matt Mullenweg、Uber/StumbleUponのGarrett Camp、FlickrのCaterina Fake、SuccessFactorsのLars Dalgaardなどが投資しています。

VCがこういうビジネスにお金を出すことはない訳ではありませんが、IndexとかGoogleとかちょっと毛色があまりに異なるという感じがぬぐえません。2005年以降毎年50%成長だそうなので、ビジネス的に上手くいっているというのはありますが、ここまでシリコンバレー的な人々の支持を得るというのは、多分皆さん個人的にとってもファンなんだろうと思われます。

この手のグルメコーヒーはいまやブームとなっており、第三の波ともいわれています。その典型的な顧客層がテクノロジースタートアップ関連の人々だったり、デザイナーさんとかアーティストとかお洒落系な人々です。特に昨今のスタートアップでは食事やコーヒーつきのところが多いこともあり、ハイエンドなコーヒーとの関係が強いです。一昔前はエンジニアにはピザとビールって感じだったのが、今はオーガニックのサラダにグルメコーヒーって感じなのです。あくまでもイメージ論ですけどw。

実質的に美味しいということに加えて、デザインのセンスの良さだったり、豆のソーシングへのこだわりや機材への異常なまでのこだわりとか、一杯ずつ5分くらいかけてつくったりとか、そういう「製品へのこだわり」みたいなものがスタートアップ関連の人々のハートを捕らえているという説もあります。

こういうカルト的なものって、大きく展開すると魅力を失ってしまうことが多いですが、さてこのBlue Bottle、そうならずに全米展開できるでしょうか。

ちなみに、サンフランシスコのほかのグルメコーヒーには、 RitualFour BarrelSightglassなどがあります。なおSightglassにはJack Dorseyが投資してます。

サンフランシスコにお越しの際はぜひお試しあれ。

では今日はこの辺で。