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起業のイロハを体系化するサイト

どうも。政治の話には一息ついて、ベンチャーの話に戻ります。

ベンチャーを起業し経営していくにあたっては、当然ながら学ぶことがたくさんあります。もちろんアイディアやその執行、経営一般については、一つの勝ちパターンがあるわけではなく、時間をかけて色々な経験から学び自分なりの方法を構築していくものだと思いますが、それとは別の次元で、まずは土俵に上がるためのイロハ的なものを学ぶ必要があります。

何しろ動きの早いベンチャーの世界ですから、じっくり座ってと言うよりかは走りながら、皆さん何とか仕組みを学んでいきます。テクノロジーベンチャーに関しては、書籍という形でまとまったものが少ないので、経験者やメンターに相談したり、セミナーに出たり、ブログ等のネット上の情報を活用したりしている人が多いかと思います。

このブログでもそうした有用な情報があればシェアさせて頂いてますが、もっと体系化された情報があれば効率的に学ぶことが出来そうですよね。以前Venture Hacksというサイトにふれましたが、今日はもう一つ、最近立ち上がったLearnVCを紹介します。

このサイトでは、新米起業家、ある程度経験のある起業家、そして投資家や学生などに対して、ビジネスプランや立ち上げについての情報、或いは資金調達に関する情報について解りやすく具体例を用いてまとめることを目指しているようです。

まだコンテンツは開発途上ではUIも解りやすいとは言えませんが、オリジナルのコンテンツに加え、あるトピックについて書かれた良質な他のブログリンクをきちんと集めているので、あちこち探さずに効率的に学習ができそうな感じです。特に面白いのが、例えばバリュエーションの話等で、色々と仮の数字を入れてシュミレーションできるテーブルとそれに連動したグラフがあり、解り辛い数字の話も視覚化して理解できるようになっているところです。

ブログ名から分かるように、VC周りの話が主なトピックなので、起業家だけでなく、VC業界について学びたい方々にも良い材料となりそうです。興味のある方はぜひご参照下さい。

こういう現場的且つ良質な情報に無料でアクセスできるようになって行くという世の中は凄いものですね。たくさんの良い面がある一方で、お金をチャージすることのハードルが上がって、ある意味首切り競争になってしまっている気もしなくもないですが。

まあその点はまたの機会に。では今日はこの辺で。

初期の資金調達で押さえておくこと

どうも。最近の市場は大変なことになってますね。金融の信用収縮というものはこういう形で雪崩になるのか、ということを今更ながらに感じているところです。今後は金融業界だけでなく様々なところに飛び火する可能性が大ですが、ベンチャーの世界はそもそも額が何桁も低いということで、取り合えず今はマクロのことは考えないようにして邁進するのが良いのかもしれません。

で、今日は度々話題にしている資金調達の話です。先日Guy Kawasaki氏のレクチャービデオを見たのですが、非常にシンプルで面白い点が幾つかありましたので要点に触れたいと思います。お題は、「初期段階のベンチャーがVCから資金調達をする際の5つのアドバイス」です。

1.まずは自分の創ろうとしているベンチャーがVCディールに向いているかどうかを検討せよ

これは確かに重要な点ですが意外に見過ごされがちなものです。事業を始めるならばVCから資金を調達するものだ、という考えが新聞やら見聞やらで刷り込まれてしまっているせいかもしれません。彼はFundable≠Viableという言葉で違いを述べていますが、日本語にしづらいので別の言葉で言うと、四六時中がんばる必要があるけれども急成長の可能性があるベンチャーなのか、それとも安定したキャッシュも入る見込みがありビジネスとしてはいけそうだが急成長するという類ではないスモールビジネスなのか、ということです。コンサルティング業やサービス業の多くは後者に属するでしょう。これは良い悪いの話の前にタイプが異なるということなので、間違った資金調達の道に走らないように気をつけましょう。

2.VCから資金調達をするのはデートのようなもので、短い時間での印象が結構重要

出会いを生み出すサイトは幾つかありますが、その両極端がHotorNot(写真を見てイケてるかどうか評するもの)とeHarmoney(性質を事細かに分析して科学的に好相性を見つけるもの)だとして、VCはどちらかと言えばHotorNotに近いと言っています。これは結構言いえて妙ですね。所詮人間の決めることですから、何かしら直感というのものが入り込みます。そうなると運の部分も大きいのですが、短い時間で相手が知りたいことに的確に応えるということは出来るはずです。まず最初のミーティングでは「何をする会社なのか」ということに焦点を絞って、余程その世界で有名でも無い限り、自分の経歴をだらだらと説明するのは避けましょう。

3. Clean dealであることが重要

特許やセクハラで訴訟があるとか、知人や親戚を不適格なポジションに置いているとか、普段は離婚を扱っている叔父さんが弁護士だからと創業の手続きをやってもらったとか、そういう怪しいことが無いように。会社としてきちんとしていることは資金調達に関わらず重要なことですね。そして、もしこういう状況がある場合には隠さずに言うこと。会社の方向が気に入ってもらえれば、こうした問題は処置のしようがありますが、嘘つきには誰もお金をだしません。

4. 好き嫌いに関わらず、スタンダードに則ってPowerPointを使うこと

Kawasaki氏はプレゼンの10-20-30 ruleというのを提唱しています。これは10ページ、20分、フォントサイズ30というもの。文字が少ない分かなり練習が必要になりますが、効果的だと思います。

ちなみに、彼の薦めるスライドは、1.表紙(連絡先も明記)、2.problem、3.solution、4.business model、5.underlying magic (ソリューションの基になっているアーキテクチャなど)、6. marketing & sales、7.competitive landscape (自社の弱点にも触れること)、8.team、 9.projection (重要なのは予測値よりもそこにどうやって達するかの説明)、10.status & timeline、です。私も似たような構成を使うことが多いですが、説明にも筋が通りますし、聴衆の期待にも沿えるので、有用です。

5. 数多くのVCを当たるべし

一流VCからでなくても、お金はお金。取れた者勝ちです。誰かが興味を示した途端に他のVCも興味を示すということは往々にしてありますので、がんばって当たって下さい。

この1-5は重要な点だけれも、それらを無意味にする奥の手もあると言います。それは、自力や友人・家族からの借り入れで立ち上げ、節約しながらがんばったら軌道に乗って、「成長するためにお金が必要だ」と言ってVCのもとを訪れることです。「プロトタイプを作る」ではなく、すでに芽が出ていて「自分では追いつけないスピードで成長している」ということは、1でのfundable且つviableなビジネスだということで、喜んで投資する人は多いはずです。ホットなものには向こうから寄って来ます。近頃は立ち上げは安いですから、このルートを取るべく、最初は自力のベンチャーが増えているという実感です。

如何でしょうか。当たり前の話ではあるのですが、Guy Kawasaki氏はそういうことをシンプルに面白く話すのがとても上手だといつも感心します。動画で見たい方はぜひ原文をご参照下さい。

では今日はこの辺で。

P.S. 知り合いのベンチャーが人を探しています。シアトルにあるOnSkreenという携帯関連のベンチャーです。Sr. Java Developerを募集ということなのですが、興味ある方がいらっしゃいましたらご連絡下さい。