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新米起業家を支える仕組み

どうも。またちょっと間隔があいてしまいました。

近頃身体の調子が悪いということをネタにしている感がありますが、眼が回復してきたと思ったら、今度は何かに突如アレルギー反応したらしく湿疹です。どうなってしまってるんでしょうね、人間ドックか御祓いにでも行ったほうがいいですかね。元気玉でも頂きたいところです。それにしても「人間ドック」って不思議な言葉ですよね…。

それはさておき、今日はベンチャーを支えるのインフラの話をちょこっと。

以前、新種のインキュベーションだとか、Tech Meetup等のカジュアルなイベントについて触れましたが、その他にも各種団体(起業・技術関連NPOや大学同窓会系、出身国系等)主催のイベントや勉強会、メンター制度等が数多くあり、起業家或いはその予備軍がネットワークを広げたり先人の知恵に学ぶ機会がたくさん存在しています。近頃はSNS等の仕組みを通じて新たな会を設けることはかなり簡単になってきており、その数は益々増えているようで、差別化も難しいという印象です。

ベンチャーを囲むいわゆるエコシステム(エンジェル、VC、弁護士、アドバイザー等)がしっかりしていることに加え、こうしたイベントなどのサポートグループが豊富にあることは、シリコンバレーがシリコンバレーたり得る所以でもあるのですが、それでも当地で成功した有力な人々と繋がりアドバイスが受けられるかというと、それは簡単ではないという一面もあります。

恐らくそういう点をついて、ということなのだと思いますが、近頃は初めての起業家に対して、もうちょっと絞ったサポートを提供するような営利のサービスが増えているような気がします。例えば、VCとの朝食会とか、既にある程度成功を収めた起業家との夕食会とか、をメンバーシップ制或いは招待制という既にスクリーニングされた新米起業家に提供するというものです。

ごく最近目にしたものでは、PayPalマフィアの一員であるDave McClureが始めたStartup2Startupが挙げられます。招待制の参加者と著名なスピーカーからなる月一ディナー会で参加費は$90のようです。次回のスピーカーはYouTubeのChad Hurleyとのこと。招待状をもらえるよう自己申請/他己推薦することもできるようなのですが、基準は中々厳しく、

Provide 3 references to notable geeks / entrepreneurs / angels / VCs you admire, and who’d also be willing to loan you their car keys.

ということも含まれています。知識を提供する側にも、他の参加者にとっても、皆にメリットがあるような質を求めているというのは分かるのですが、車を貸してくれるほど親しい名の知れた人との繋がりが既に3つもあれば、こういう会合に参加しなくても何とかなると思うんですけどね。

その前の段階こそが、特に外様には難しいと思うのですが、それは個人的な紹介でやっていくしかないんでしょうか。もちろん個人的に人脈を広げていくことは常に必要だとは思いますが、この部分をなんとか組織的にサポートすることはできないものですかね。アイディアのある方、既に機能しているものをご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡を。

どのような会合にせよ、イベントの質と参加者の質という問題がありますし、マンツーマンではないので当たり外れもあるでしょう。結局は、参加者自らが自分の目的をしっかりと据えて、取捨選択していくべきものなのかもしれません。皆様、ぜひ上手に活用してみて下さいね。

では今日はこの辺で。

ユーザーを間接的に把握するには

どうも。今日はユーザーを知る術の話です。

オープンソースのソフトウェアが良い例ですが、無償でダウンロードする形で提供しているものの場合、どんな人が使っているかが分からないことが多いですよね。連絡先等の基本情報を登録してくれるユーザーもいますが、一部に限られますし情報の精度は良いものとはいえません。

製品自体を色々とパッケージ化したり、フォローアップのプロセスを賢く行うことで、無償ダウンロードから有償インストールにいかに早くスムーズに移行させるかということを検討することも重要だとは思うのですが、そういう事とは別に、昨今の情報過多を利用して実態調査をするというのは中々有用かもしれません。

オープンソースに詳しく現在はAlfrescoに関わっているMatt Asayによると、その調査にはLinkedInが使える!とのこと。以下はシンプルに”Alfresco”というキーワードで検索したらどんなことが分かったかの部分の引用です。

First, I discovered a wide range of people with Alfresco experience. Some are existing Alfresco customers and partners, some are employees. But a significant percentage include potential customers and partners.
(様々な人がAlfrescoの使用経験があることが分かったが、収穫はその内の多くは潜在顧客やパートナーであることだ)

Second, I found out how people are using Alfresco. A large stock exchange migrated from Interwoven to Alfresco. The world’s top personal financial management software vendor uses our Community Edition to power its website. I wouldn’t have known this but for LinkedIn.
(そして人々がどのようにAlfrescoを使っているかも分かった。例えばある株式市場がInterwovenからAlfrescoにのりかえたとか、世界トップクラスの資産管理ソフトウェアベンダーがそのウェブサイトをよりよくするためにAlfrescoのコミュニティ版を使っているとか。)

これ、中々興味深いと思います。LinkedInはビジネス上のSNSという位置づけですが、現在ヘッドハンティング含め人材発掘にもかなり活用されています。恐らくそういう可能性を認識して、職歴やスキル及び経験や実績を、かなり事細かにきちんと書いている人が多いのだと思います。そこで上記の2 点目のような、詳細な情報が得られるのでしょう。実績として「InterwovenからAlfrescoに変更するという複雑なプロジェクトを牽引した」ことが挙げられている等と言うように。

もちろん検索結果から事象の関係性を読み込む必要はあるのですが、そうした情報が営業の優先順位を決めるのに役立ったりする可能性は充分にありますよね。使った事がない人にコンタクトするよりも使ったことがある人に行った方が良く、しかもその人の社内での位置づけも同時に分かるわけですから、かなり効果的かもしれません。LinkedInはビジネス使用という建前、及び転職というアップサイドがあるために、ユーザー自らがデータをより良いものにするインセンティブが働くわけで、これは検索にはもってこいですね。情報管理としては中々賢い仕組みだと思います。

さて、オープンソースではなく、何らかのサービスのベータ版を使っているなどのユーザーの場合、レジュメのスキル等としては現れにくいと思います。その場合は、technorati等のブログ検索に加えて、同様にソーシャルなもの、例えばFacebookやMySpaceやMixi、或いは Flicker等で検索をかけてみると面白い情報が手に入る可能性はあるかもしれませんね。

やはり情報やトラフィックが集積するところでは様々なビジネスの可能性がありますね。だからこそSNSの価値が高いと言われるのだと思いますが。

ま、今日はこの辺で。この手の実態調査で他に良いやり方などがあれば、ぜひお寄せ下さい。ではまた。