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労働者階級のミリオネア!?

どうも。子供の頃、「1億円あったら何に使う?」という類の他愛無いQ&Aがよくありましたよね。大人になると、さすがに1億円では働かずに家族を一生養うのは無理だということは分かってしまうわけですが、ではいくらなら?というのが今日の話。

週末のNew York TimesにIn Silicon Valley, Millionaires Who Don’t Feel Rich (シリコンバレーでは億万長者もリッチとは感じない)という記事がありました。ベンチャーで働いたり、起業したりしてストックオプション等で数億円という一般的に見ればかなりの大金を得た人々が、その生活レベルを維持するにはそれでは足りないと不安に陥りながら、せっせと週に60時間から80時間も働き、いつリタイアできるかも怪しいと考えているという内容です。この記事では彼らをいわばworking-class millionaires だとしています。

いやー、何というか、淋しいですね、これ。確かにシリコンバレーの場合、実力やら運やらで大金を儲けた人が沢山いるので、確かに上には上がいますし、土地や住宅は高いのは事実ですが、それでもやはり、視野が狭すぎるのではないかと思ってしまいますね、庶民の私は。お金があっても好きで働いているのなら何の問題もないのですが、直近の社交関係や上ばかりを見て、悲観的になるのは本末転倒ですし、幾らお金があっても自分の価値観の軸がなくていつまでも他人と比較し続けるのは不幸だと思います。ウォールストリートで働く金融関係の人も同様の問題がありますけど。

シリコンバレーに来て起業して一山当てようという方、もちろん大歓迎ですが、そのお金をどのように使ってどのようなライフスタイルをもって生きていきたいかということは、しっかり考えておく事をお勧めします。そして、その際には、シリコンバレーに留まって下さるようお願いします。くれぐれもサンフランシスコに更なるインフレを持ち込まないように。

暗い気分になってしまった方は、こちらのサイトで、自分が世界中でどれだけ恵まれているかチェックして見て下さいね。

今日はこんなとこで。ではまた。

決断と後悔と

どうも。依然として夏らしい気候が続いています。ここサンフランシスコでは、夏日が少ないために、こういう時にはここぞとばかり仕事を休んだり早めに切り上げて、ビーチに行っちゃったりカフェに飲みに行っちゃったりする人が多いんですよね。

それと関係があるかは微妙ですが、今日はひかれるネタにであわずじまい。なので、暫らく前に紹介した「Founders At Work」から起業家の言葉を軽く引用したいと思います。

PayPalのco-founderであるMax Levchinのインタビューから。「今思い返して、こうすれば良かったと思うことってある?」との質問に対してのコメント。

Levchin: No.

Livingston: You didn’t make any mistakes?

Levchin: There are all sorts of tactical decisions that we made here and there that played out to be wrong, but it’s not like I could have predicted it. It’s not one of these things that I’m now smarter and therefore I could have done it even better. I think, given the information available at the time, I would have likely chosen the same outcome………(略)

なんというか、潔いなーと。 これはPayPalが非常に上手くいって大金を手にしたから、とかいうレベルではなくて、その都度その都度で、得られる情報をもとにその時点で最良と思われる決断をしているのだから後悔はしない、というスタンスの人なんだなと感じます。

すばやい動きが要求され、リソースの面からも限られているベンチャーにおいては、完全を求めるのではなくその時点で納得した決断をして前に進むということが重要であることが多いですね。言うは易しではありますが。

短いですが、こんなとこで。
皆様、良い週末を。