tech venture business » Archive of '10月, 2012'

次に必要なのはどのポジションの人か

どうも。いやーSFジャイアンツやりましたよー。スバラしい。地元でのパレードはハロウィン当日だそうで、SFは明日とんでもない状況になりそうな感じです。

さて今日はスタートアップにおいてのチーム構成の話しです。例えばエンジニア数人で立ち上げたスタートアップの場合で、「マーケティングの人は必要ない」とか、「今のところプロダクトマネージャーは必要ないと思う」などなど、「xx(その他様々な役職名)はいらない」ということを耳にします。

これが、成長に必要な物事の正しい分析と現時点の人員構成をきちんと照らし合わせた結果であれば、当然何の問題もないのですが、そのポジションに関して良い経験がない、または実際どんなことをする人たちなのかが良く分からないために、必要ないと決め付けてしまっていることがあるので、注意が必要です。

他のスタートアップでも多く見られるようなポジションというのは、これまでの多くの集合的経験値によって必要と認識されてきたわけで、ある段階で何らかの形で必要になる可能性は高いはずです。一人で何役も兼ねるのがスタートアップの日常ではありますが、自分で全部できはしないし機会損失も大きいということは認識する必要があります。自分の良く知らない分野の人を評価したり雇用したりするのは難しいですが、各分野で真に優秀な人がどれだけの効果をもたらすかを経験すると目から鱗だと思います。その仕事の範囲について確証がなかった場合は、自分の認識が大きく違っていたり、逆に描いていた理想が正しかったりということもわかるでしょう。

もちろん、資金の状況もありますから、すべてを雇用と考えず、契約形態はフレキシブルに捉えましょう。技術系にとってのビジネス側、またはその逆などは特に判断が難しいので、その場合は、信頼する人からの紹介をうけたり、ブログ等を通じてめぼしい人の考え方に触れたりすることから始めて、実際に話をするのがよいでしょう。また、まずは何らかのプロジェクトを一つ一緒にやってみるとか、フルタイムではない契約で一緒に一定期間やってみるとか、時間をかけて関係をつくっていくのがお互いに良い場合もあるでしょう。

ただ、その際は「自分が相手をテストする」という試用スタンスにならないことが重要です。一緒に一つのサクセスに向って協業できるかやってみることが重要であって、「お前の技量をおれに証明しろ」という一方的なやりかたでは上手く行かないですし、優秀な人ほど「危険信号」とみて逃げていきますのでご注意を。

では今日はこの辺で。

 

スタートアップ予備校

どうも。ここサンフランシスコはジャイアンツのワールドシリーズでかなり盛り上がってます!

さて、近頃、起業やスタートアップに関する教育や講座が増えてきていますが、起業家ではなくて「スタートアップで働く人」を養成する試みがボストンで行われているようです。

その名もBoston Startup School。先日もでてきたインキュベーターのTechStarsのボストン拠点が絡んでいるのですが、スタートアップに興味がある新卒やキャリアチェンジの人をセレクションして、かなり実践的なことを教え・経験させ、スタートアップの職につかせるというものです。

営業 & biz dev、マーケティング、プロダクトデザイン、ソフトウェア開発の4つのトラックがあり、プログラムは6週間。入学は結構狭き門で、受け入れられるのは応募者の20%以下のようですが、受かった人はなんと無料で受講できるとのこと。

スタートアップ(大きいものも含めて)がスポンサーになって、講師にもなり、雇用受け入れ先にもなるというモデルなんですね。これは結構いいかも。ボストンはMITやハーバードがある世界有数の大学町でもあるため、アメリカではシリコンバレーに次ぐスタートアップ拠点です。が、それでも人材などの問題で、シリコンバレーに流出してしまうスタートアップや起業家が多いとのことで、コミュニティを活性化して入っていく良質な人材を増やすことで、その流出を止めたいという意図があるようです。

起業をする人はどこにでも一定数いるものですが、この「スタートアップで働く優秀な人材」の層の大きさが、シリコンバレーの一つの特徴だと私は思っています。彼らは、大企業に入れなかった人では全くなくて、必要なスキルセットや志向が異なるスタートアップだからこそ働きたい人たちです。ファウンディングチームを超えて成長していく時に鍵となるのが、いかにこうした優秀なスタートアップワーカーをチームに入れていくかですが、なかなか良い人がこない、と日本のスタートアップからよく聞きます。

そもそもスタートアップで働くとはどういうことかが分かる人が少なかったり、適したスキルセットをもつ人が少ない場合には、こういうプログラムで要請するのはwin winで良いのではないでしょうか。どうでしょ、スタートアップ界隈の人を結集して東京ではじめてみては。

ちなみに、どんな実践的なことをやっているかの例を一つ。営業 & Biz Devトラックの場合ですと、「全生徒(そのときは72名)のランチを予算なしで調達してくる」というお題が与えられて、習った営業スキルを駆使して、地元のレストランから寄付してもらってりを取り付けてくるそうです。そういう、とにかくリソースが不足している中、頭とガッツ使ってとにかく実現する、という様なとってもスタートアップな実習をさせてもらえるわけです。いやー楽しそう。成功体験にもなるし、雇う側も確かにやりやすそうですね。なかなか理想的な職業訓練では?

ほんと近頃は普通の学校教育だけでなく、いろいろな学びの機会がありますねー。良い世の中になったもんだ。若い皆さんは活用しない手はないですよ~。

では今日はこの辺で。