ユーザーを間接的に把握するには
どうも。今日はユーザーを知る術の話です。
オープンソースのソフトウェアが良い例ですが、無償でダウンロードする形で提供しているものの場合、どんな人が使っているかが分からないことが多いですよね。連絡先等の基本情報を登録してくれるユーザーもいますが、一部に限られますし情報の精度は良いものとはいえません。
製品自体を色々とパッケージ化したり、フォローアップのプロセスを賢く行うことで、無償ダウンロードから有償インストールにいかに早くスムーズに移行させるかということを検討することも重要だとは思うのですが、そういう事とは別に、昨今の情報過多を利用して実態調査をするというのは中々有用かもしれません。
オープンソースに詳しく現在はAlfrescoに関わっているMatt Asayによると、その調査にはLinkedInが使える!とのこと。以下はシンプルに”Alfresco”というキーワードで検索したらどんなことが分かったかの部分の引用です。
First, I discovered a wide range of people with Alfresco experience. Some are existing Alfresco customers and partners, some are employees. But a significant percentage include potential customers and partners.
(様々な人がAlfrescoの使用経験があることが分かったが、収穫はその内の多くは潜在顧客やパートナーであることだ)Second, I found out how people are using Alfresco. A large stock exchange migrated from Interwoven to Alfresco. The world’s top personal financial management software vendor uses our Community Edition to power its website. I wouldn’t have known this but for LinkedIn.
(そして人々がどのようにAlfrescoを使っているかも分かった。例えばある株式市場がInterwovenからAlfrescoにのりかえたとか、世界トップクラスの資産管理ソフトウェアベンダーがそのウェブサイトをよりよくするためにAlfrescoのコミュニティ版を使っているとか。)
これ、中々興味深いと思います。LinkedInはビジネス上のSNSという位置づけですが、現在ヘッドハンティング含め人材発掘にもかなり活用されています。恐らくそういう可能性を認識して、職歴やスキル及び経験や実績を、かなり事細かにきちんと書いている人が多いのだと思います。そこで上記の2 点目のような、詳細な情報が得られるのでしょう。実績として「InterwovenからAlfrescoに変更するという複雑なプロジェクトを牽引した」ことが挙げられている等と言うように。
もちろん検索結果から事象の関係性を読み込む必要はあるのですが、そうした情報が営業の優先順位を決めるのに役立ったりする可能性は充分にありますよね。使った事がない人にコンタクトするよりも使ったことがある人に行った方が良く、しかもその人の社内での位置づけも同時に分かるわけですから、かなり効果的かもしれません。LinkedInはビジネス使用という建前、及び転職というアップサイドがあるために、ユーザー自らがデータをより良いものにするインセンティブが働くわけで、これは検索にはもってこいですね。情報管理としては中々賢い仕組みだと思います。
さて、オープンソースではなく、何らかのサービスのベータ版を使っているなどのユーザーの場合、レジュメのスキル等としては現れにくいと思います。その場合は、technorati等のブログ検索に加えて、同様にソーシャルなもの、例えばFacebookやMySpaceやMixi、或いは Flicker等で検索をかけてみると面白い情報が手に入る可能性はあるかもしれませんね。
やはり情報やトラフィックが集積するところでは様々なビジネスの可能性がありますね。だからこそSNSの価値が高いと言われるのだと思いますが。
ま、今日はこの辺で。この手の実態調査で他に良いやり方などがあれば、ぜひお寄せ下さい。ではまた。