起業と年齢と密度の濃さ
どうも。また一週間の始まりですね。
近頃、起業するなら30歳以下、という話題がValleywagを皮切りに賛否両論のちょっとした論議を巻き起こしているようです。どうですかね。私は年齢は関係ないと思っていますし、こういう話を聞いて「やはり遅すぎるか」と起業を諦めるようであれば、その人は多分起業しない方が良いと思いますし、投資の基準をそこに置くというのは余りにも浅はかなので、まあ社会学的統計ネタとしては面白い部分もあるのですが、実際の影響度は低いのかもしれません。
確かに、大成功し名の良く知れたベンチャーでは、ファウンダーが若いことは多い様です。若い時には勢いがあったり、働く事に対して妙に冷めた”常識”に埋もれていなかったり、扶養家族もおらず経済的に心配事が少ない、という環境の利点は事実としてありますよね。ただ、テクノロジーに関してはどんどん新しいことがでてくるので、子供の頃から何に触れ当たり前と認識してきたか、学校その他で学んだ過去の問題点を踏まえた最先端の知識という部分がかなり違うので、革新的なものは若い世代から出やすいということもあるのだと思います。ウェブ系はその顕著な例でしょう。
こういったベースの部分でのハードルの高低は多少あるにせよ、それでもどのようなことに問題意識を持ち学んできたか、何をどのようにして生きていきたいか、というのは人其々ですから、実際の年齢に左右されるべき事ではないと思います。
とは言え、私がスローライフ派だからかも知れませんが、とても若くして起業する人々にはついつい関心を持ってしまいます。環境によってはより多くの人が背中を押されて起業するように思うのですが、環境に関わらずいつの時代にも起業家になるために生まれてきたかのような、早熟な知性とでも言うんですかね、そういうとても若くて優秀、勤勉な一握りの逸材はいるものですよね。
私のこの関心はビジネスの観点というよりも、社会学・心理学的な観点からのものなので極めて失礼だとは思うのですが、ここでは、タイミング良く最近見聞きした二人について記しておきます。
まずは先日のTiECON(シリコンバレーにおけるインド系主体の大規模起業家カンファレンスです)で話題になった、ElementeoのCEOで13 歳のAnshul Samar氏。
テクノロジーベンチャーではないのですが、化学が学べるカードゲーム等、教育とゲームの掛け橋というところをついているようです。リンクにピッチビデオがありますが、いやーホントに感心。他の起業家と比べて劣らぬ自信と要領を得た話し方。しっかりしてます。
もう一人は今日、My Start-Up Life: What a (Very) Young CEO Learned on His Journey Through Silicon Valleyという本を出版した、現在19歳のBen Casnocha氏。こちらは若さという観点でなく、ベンチャービジネスの観点からも非常にためになる本との評判ですので、私もぜひ後日読んでみようと思います。 以下Amazonから引用します。
Ben Casnocha started his first company at age 12. By the time he was 16, he was nominated for Inc. Magazine’s “Entrepreneur of the Year” and was chairman of his second company, Comcate. While playing high school basketball and editing the school paper, Casnocha was also sneaking away to early morning flights for sales calls with customers. With the support and advice of some of Silicon Valley’s brightest minds, Casnocha crammed a lifetime of business experience into just a few years, all of which he shares in this unique book.
16歳で会長、学校に行く前に飛行機で顧客訪問とか、いやいや、ご立派。自分が普通の仕事をしている親だったらどういう感じなんでしょうね。
生き急ぎということが無いとすると、自分のしたいことを追求するというその密度の濃さについて彼らに学ぶ事は大きいなと自戒する私であります。
取り留めないですが今日はこの辺で。では。