シリコンバレーのマフィア達
どうも。今日は新種の、しかし極めてシリコンバレーらしい繋がりの話です。
以前にもちょっと触れたと思いますが、ネット上での決済サービスにPayPalというものがあります。2002年にeBayが買収し、その後もかなりの成功をおさめていますが、今では以前の従業員は殆ど残っておらず、MBAがわんさかいるキチッとした会社です。では元のPayPalのメンバーがどうしているかというと、かなりの人が起業し、その他も他のベンチャーに参画したりVCになったりしています。
分野はインターネットに限らず多岐にわたっていて、投資会社、慈善団体、太陽熱発電などのエコ企業から、果ては火星への植民を志している企業まであります。ネット系でその人達が絡んでいるものをざっと挙げても、YouTube、Facebook、LinkedIn、Digg、Slide、Yelpなどがあり、「卒業生」の活躍ぶりは目覚しいものがあります。
その裏には、元からそういう優秀な起業家タイプが集まっていたとか、PayPalでの経験に感化されたとかだけではなくて、彼らがその後も連絡を密に取り合って、お金と人、アイディアとアドバイスが回りまわる独自のネットワークを築いたということがあります。これは強いですよね。リッチがさらにリッチになっていく仕組みの王道です。そんな彼らは自らをPayPalマフィアと称しているとのこと。
そのマフィアとは一体どんなものなのかを探る記事が昨日のFortuneにありました。長いのでリンクを張るだけにしますが、面白かったのでぜひ読んでみて下さい。PayPalがどのように人材を集め、どのようなカルチャーを創り、どのような軋轢があり、渦中の人が何を感じていたかに触れることができます。こうしてみると、PayPalはいわゆる成功法則からはかなり外れていたようなので興味深いです。
共同創業者のPeter ThielやMax Levchinはかなり尖がった人達のようです。この記事ではその変わり者ぐあいを些か強調しすぎている感がありますが、ネタとしては面白いです。例えば、Peter Thielはサンフランシスコの豪邸に住んでいるだけでなく、執事がいるとか。執事って一体どこから探してくるんですか。ハイソと無縁の私には到底分かりません。また、記事にちなんだ洒落として彼らがマフィアっぽくしている写真があるのですが、かなり笑えます。
シリコンバレーにはこれ程組織だっていなくても、数多くの人的ネットワークが複雑に絡む生態系があり、「正しい」人脈の重要性を思い知らされます。そういったmeritocracyをベースとしたシリコンバレーインサイダーにどうやってくいこんでいくかは、私にとっても今後の長期的な課題になりそうです。
今日はこんなとこで。ではまた。