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シリコンバレーCEOと学歴

どうも。先週後半はThanksgivingのお休みで暫らくあいてしまいました。皆様如何お過ごしでしょうか。

今日は学歴の話を少し。
さて、シリコンバレー企業のCEOというと、皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか。スタンフォードなどの名門校出身で技術系バリバリの学位を持っている人々、或いはハーバード等の名門ビジネススクール出身のMBA、それとも大学中退の天才肌でしょうか。

今日のMercury Newsにその調査記事がありました。シリコンバレーにある企業の内、規模上位150社を対象にしたもので、CEOがどの大学または大学院からどの様な学位を得ているかを集計しています。結果はといえば、上記の例のどれもありで、出身校は多岐に渡り、学歴とCEO職との直接の相関は見られずやはり meritocracyなのだろう、というまぁありきたりなものなのですが、幾つか興味深い点がありました。 (全体像のリストはこちら

一つは実に3分の2が公立校出身であること。確かにスタンフォード出身が最多ではあるのですが、いわゆるアイビーリーグの影は全体としては薄いようです。

二つ目はカリフォルニア州の大学・大学院が全体の4分の1を占め、中でもサンフランシスコベイエリアの教育機関が全体の2割に至ること。意外にもかなりローカルなんですね。これには様々な要因があると思いますが、人脈そして周りの雰囲気や期待値といった環境の影響は大きいと思われます。

三つ目は全体で計266の学位に及ぶそうで、大半が複数の学位をもっている(修士)ということですね。この辺が実はアメリカはかなりの学歴社会だといわれる所以でしょう。

そして四つ目は25名(全体の約17%)が海外の大学・大学院出身であること。以前に触れたように、確かにシリコンバレーでは外国人や移民が多いのですが、海外で教育を修めた人がこれ程とは、ちょっと意外でした。中でもイスラエル、インド、イギリスが多いようです。ちなみに日本の大学はリスト上に一つだけあって、九州大学です。記事内にあるサーチで検索したところ、SynnexのCEO、 Robert Huang氏が九大の電気工学部ご出身のようです。

私自身は全て日本で修めたので、このリスト上のアメリカの大学のヒエラルキーにはあまり明るくないのですが、どうでしょう、意外なものはあるでしょうか。

学歴とその後については諸説があるかと思います。それでもかなりの確率で言えるのは、恐らく、出来る人はどこに行っても出来るということと、すぐに起業をするのでない限り、就労経験の乏しい若い頃は学歴の重みはかなりあるということではないでしょうか。

取り留めないですが、今日はこの辺で。ではまた。

ベンチャー企業と政治とお金

どうも。今日は短く、先週のニュースで思ったことを。

先週、アル・ゴア氏が超一流VCのKleiner Perkins Caufield & Byersにパートナーとして加わるという話がありました。彼はご存知の通り環境問題に熱心に取り組んでおり、ここ暫らくクリーンテクノロジーに注力しているKPCBとマッチすることから、このような運びになったと。

確かに環境技術という専門性でのフィットはあるわけですが、それだけでは通常のパートナーという立場は正当化できるものではないように思います。

というのも、KPCBはノーベル賞受賞者という肩書きで箔付けをする必要はないですし、投資先の選定・サポートをするのにも大学教授等の専門家へのアクセスは事欠かないはずです。勿論ベンチャーキャピタルなどの金融機関が政治家や同様のセレブと関係をもつことは珍しくはないのですが、通常、アドバイザーやリミテッドパートナー等といった、緩い関係です。実際、KPCBではStrategic Limited Partnerとして前国務長官のコリン・パウェル氏も在籍しています。

では、なぜ、実務を担当するはずの、通常のパートナー職なのか。それは恐らく、環境問題がプライベートの資金投入だけでは上手く行かない、政治・政策とは切り離せない性質のものだからなのだと思います。そうした両輪の片方を動かすためには、政界へのコネを提供できるだけでなく、環境に関する税制や規制、法整備に実際に影響力を持って働きかけることが出来る人が必要で、そこをぐいぐいと推し進めてもらうためには、緩い関係では充分ではなく金銭的その他のインセンティブが望ましいため、パートナーという立場で迎えたのではないでしょうか。

実際に上手く機能するかは見守るしかないですが、新しい業界を作り出すことのスケールの大きさと難しさ、そして実行に移すために異なる強みをもった人々が結集できることのすごさ、を感じた次第です。

取り留めないですが、今日はこの辺で。ではまた。