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ベンチャーを評価する際のフレームワーク

どうも。いよいよ年の瀬が近づいて参りました。今年のシリコンバレーの企業は長く休みを取るところが多いそうです。私は来週24日で今年は仕事納めです。

さて、今日はベンチャー企業の評価をするフレームワークの話です。このブログで何度か触れているBlogger、Twitter等でお馴染みの Obvious CorpというインキュベーターのようなベンチャーをやっているEvan Williamsが、先日彼のブログで興味深いことを書いていたので紹介したいと思います。

彼はWill it fly? How to evaluate a new product ideaというエントリーで新しいアイディアが成功するかを評価する指標として、考え中のことを記述しています。その指標は以下の通りです。

Tractability – How difficult will it be to launch a worthwhile version 1.0?
Obviousness – Is it clear why people should use it?
Deepness – How much value can you ultimately deliver?
Wideness – How many people may ultimately use it?
Discoverability – How will people learn about your product?
Monetizability – How hard will it be to extract the money?
Personally Compelling – Do you really want it to exist in the world?

彼はこのフレームワークで自己の経験(Blogger、Twitter)、及び、Google、Facebook、Feedburner、 HotOrNot、Scrabulous、Ebayについて考察しています。個々の評価は長くなるので彼のブログを読んで頂きたいのですが、総括すると、成功しているベンチャーがこれらの全てにYesかというとそういう訳ではありません。

とすると、フレームワークが適当ではない、比較している企業が的確ではない、成功した企業の多くが当初のアイディアに固執することは稀で成長するにつれてモデルを修正していることが多いのでどの時期を検討するかにより結果は異なる、或いは、インターネットサービスはやはり何が流行るか分からない等の要因が考えられるかと思います。一見無意味な結論ですが、フレームワークというのはそもそも白黒はっきりしたチェックリストのような性質のものではなく、思考を補助するものなので、こうした試み自体は面白いと思いますし、みなさん其々が自分の指標で考えてみられると良いと思うわけです。なかなか難しいですけどね。ぜひご意見お寄せ下さい。

私は戦略的M&Aの仕事をしておりまして、どのベンチャー企業をクライアントとしてお引き受けするかを考える際に色々と評価をしますが、視点はちょっと異なります。それは、そのベンチャー企業が単体として成功するかどうかを評価するわけではないからです。最終的には「売れそうかどうか」(言葉は悪いですが)というのが基準なのですが、そこに至るまでには、様々なことを考察します。きちっとしたフレームワークは出来ていないのですが、例えば、「その企業が何者であるかを一文で言えるか」、「差別化された何かがあるか」、「”Nice to have”ではなくて何らかのリアルな問題を解決しているか」、「売却候補先としてある程度の数の企業が思い浮かぶか」、「チーム特にエンジニアの質が高く、そのベンチャーにコミットしているか」、「より大きく補完的なスキルを有する企業と一緒になることで成長できるか」等を最低限考えます。

基本的にこれらの事には全てYesである必要があるのですが、プロジェクトに対する実際の決断は、クライアント候補やその投資家との人間関係、自社のキャパシティ等々の様々なことも考慮されるのでその限りではないのが悩ましいところではあります。来年はベンチャー企業自体を評価する指標をもうちょっと突っ込んで考えてみるのも良いかなと思っています。

今日は来年に向けての考える材料ということで。ではまた。

ベンチャー:存在の耐えられない軽さ

どうも。今日はプロジェクトの一つがクライアント都合で突然休止になり、気合が入っていた分、かなり滅入ってます。

ベンチャー企業、特にアーリーステージの企業では、毎日何が起こるか分からず、ある意味いつでも死と隣りあわせという厳しさがあります。実りが多い反面、吹けば飛んでしまうような存在なのは事実です。資金調達が上手くいかなかったり、顧客からの納金が遅れたり、誰かが辞めたり、投資家が痺れを切らしたり等々、ある程度の規模の企業なら死には至らないような様々な要因で、コロッといってしまうことがあるのです。

すごく良いものをもっていてもその可能性を最大限に発揮することなく、志半ばで終わってしまうのはチームにとっては辛いだろうなと思いますし、非常に残念です。

こういう事があるのは分かっていても、その企業が単独でなし得たかもしれない事、そして戦略的パートナーを見つけた際にはその補完的なスキルや資金によって可能だと描いていた大きな事を思うと、毎度、歯がゆく、いたたまれない気持ちです。

難しいですね。 

ここはシリコンバレー、みなさん次を目指して奮起されるとは思いますが。

低調ですみませんが、今日はこれにて。