•
どうも。今日はちょっと急ぎなので手短に。
時々話題にしている資金調達ですが、お昼に出た会合で、とあるVCの方が以下のようなコメントをされていました。
「資金をあるベンチャーに提供しようかという話をするとき、VCはもの凄く徹底的にデューデリジェンスをしますよね。そのベンチャー企業の行いだけでなく、起業家自身の家族だとか飼い犬だとか(笑)、とにかく細かくやるわけです。
それなのに、驚くべき事に、起業家の方は、VCに対して極々基本的なデューデリもしない事が多いのです。ファンドの出資者にはどんな人や機関がいて、現ファンドの規模や期間はどれ程なのか、という投資行動に直接影響があるような事項も聞いてこないんですよ。」
起業家がベンチャーキャピタルのビジネスを詳細に知らなくてはいけない、とは思いませんが、このファンドとサイクルというものがVCの意思決定の背後にあることだけは押さえておいたほうが良いでしょう。例えば起業家が$5Mくらい資金調達をしたいと思っていて、VCが「いや早くに多く調達しすぎるのは良くないし、今回は$2Mくらいでいいんじゃないかな」と言ったとします。これは本当にそうかもしれないですが、実際は現ファンドも半ばを超えて懐事情がキツイという内部的な事情からきているだけかもしれません。
この事は一度に資金調達できる額への制限だけでなく、ファンドの残り期間が少なく次のラウンドにおける追加投資をしてもらえなかったり、ファンドを〆る必要が近づいているために、最適な時期ではなくても、その企業の売却を迫られたり、ということにも繋がってきます。
ついつい見落としてしまいがちですが、誰が誰のほうを向いて働いているか(誰に対して責任を持っているか)ということは、外部組織、内部組織の何れにおいても其々の意思決定に関わってきますので、注意を払ったほうが良いと思います。そういうことに敏感であろうとすれば、お互いにウィンウィンな条件に話をもっていくこともできますし、後々にサプライズが少ないはずです。
今日は教訓事の備忘録がわりに、この辺で。ではまた。
•
どうも。今日はまたオープンソース関連の話をちょこっと。
一つは、オープンソース関連の人のtwitterを寄せ集めたPulse of Open Sourceというサイトがスタートしたそうです。リアルタイムのフォーラム或いは掲示板という趣で、こうなるとtwitter類はかなりSNSの様子を呈していますね。興味のある方はぜひご参加あれ。
二つ目は、先日見たニュースによると、オープンソースがわりと盛んなオーストラリアにおいて、初の調査を行ったところ、オープンソースプログラマーの稼ぎが国民平均を上回る事がわかったそうです。最終的なレポートは3月に発表されるそうですが、現時点で挙げられている数字をまとめてみます。
*調査に応えたのは327名で、これはオープンソース総人口の5%以上にあたる
*オープンソースに従事している人の給与(合算)はピークでA$76,000から A$100,000 (US$68,758 から US$90,471)であり、これは国民平均(メディアン)の3倍にあたる
*オープンソース従事者の殆どがソフトウェアエンジニアかICT(インフォメーションコミュニケーションテクノロジー)以外の職種をしている
*無料のオープンソース開発に対する報酬は、57%が無し、24%が時々そして9%が頻繁に何がしかの給与を得ており、10%はフルタイムの職業として報酬を得ている
この結果をみると、オープンソースだけで食べている人が高給取ということを示しているわけではなく、オープンソースに関わっている人は恐らくスキルレベルが高く且つそのような取り組みに積極的に関わる程モチベーションが高いため、つまりは仕事がデキるために、正規の或いはパートタイム契約から得られる給与の合算が高くなっている、ということだと思います。
それはそうかも、という感じですが、統計として数に表れるとオープンソースというものの現代社会に及ぼすスケールを何となくつかめる気もします。オープンソースだけで食べている人は現時点では少数ですが、何がしかの報酬を得ている人はかなりいますし、今後もこの割合は増えていくのではないでしょうか。
上記リストの2点目と3点目に関してちょっと補足を。レポートが発表されてからきちんと見ないとわかりませんが、給与を比較する際にピークとメディアンを比較しているのは、どうなんでしょうか。ちょっとセンセーショナルな感じが否めないところはあります。また、中には本職がパイロットという人もいるそうで、「Apache hackingをシドニーからロンドンへの飛行中にしている」と言っているとのこと。ネタのつもりかもしれませんけど、そんなフライトは避けたいですね。
どこかで、オープンソース全体におけるアジアのプレゼンスが低い、という趣旨の議論を見たように記憶していますが、実際はどうなんでしょうか。もしそうだとすると、働き方の体系の自由度や、このような報酬の機会と関係があるのでしょうか。
取り留めないですが、今日はこの辺で。ではまた。