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iOSアプリとAndroidアプリのユーザー定着率

皆さんの中にもアプリ開発に携わっている方がいらっしゃると思いますが、まだ新しい市場ですし、競争も激しく、ビジネスにするのは中々大変ですよね。今日はiOSアプリとAndroidアプリについて有用な数値を見たので、内容をシェアします。(オリジナルはこちら

これはアプリのアナリティックスを提供するLocalyticsによるもので、6千万のデバイスにおいて2010年と2011年の同時期9ヶ月に渡って集計した結果を比較しています。要点は、この2年を比較すると、アプリをダウンロードしてから10回以上使う定着ユーザーの割合が向上し、1度しか使わない人の割合が減っている、ということ。それから、iOSとAndroidで比較すると、iOSアプリの方がAndroidアプリよりもリテンションが50%高いということです。

  

アプリはダウンロードしても簡単に削除できますし、ダウンロードしたことすら忘れてしまったりするので、離脱・休眠はかなりの課題となっていますよね。が、この調査によると、2010年時点では1度だけ使用して離脱・休眠する人の割合と11回以上使用した定着層の割合が同じだったのに比べて、2011年では定着に傾いたそうです。

この要因として、一つはアプリ開発側がダウンロード数よりもユーザーの維持とそのLTV向上に力を入れるべくシフトしていること、二つにはアプリの質がかなり向上していること、そして3つにはユーザーの側でもアプリとの付き合い方が上手くなってきていて明確な目的で選別してダウンロードしている、ということがあげられています。

なぜiOSの方がリテンションが高いかについては深い考察が記されてないのですが、要因としてiPhone自体のリテンションが高いことが上げられています。他にも、iOSユーザーの特性(別の記事によるとiOSユーザーの方がアプリダウンロード率が高いようです)も絡むでしょうし、また開発側もiOS先行で作っているなどの理由もあるでしょうね。

参照した2つの記事中には、他にも有用な数値がいくつか出ていたのでまとめて記します。

  • 1スマートフォン上の平均アプリ数は32から41へと向上。(by Nielsen)
  • スマートフォンでのインターネット使用はアプリ経由が73%から81%へと向上し、より圧倒的になってきている (by Nielsen)
  • iPhone自体のリテンション率は94%と非常に高い。一方Androidは47%にとどまる。(by Piper Jaffray)
  • iOSユーザーでアプリをダウンロードする人の割合は88%。Androidでは74%。(by Nielsen)

有料アプリの場合はダウンロード数が多いに越したことはないですが、アプリ内課金や広告などのモデルの場合は特に、定着を増やしLTVを上げることが必要になりますよね。全体として定着率が上がる傾向にあるとはいえ、それでも20%-25%のユーザーはダウンロード後1回限りでいなくなってしまい、離脱・休眠のカーブ自体はあまり変らないということを前提にして、如何に残りの75%の内多くに残ってもらうかということを、製品及びマーケティングの観点から考えて実行することが重要だと思います。

では今日はこの辺で。

 

 

世の中には2種類の会社がある

とはAmazonのJeff Bezosの言葉。今日Kindleで本を読んでいてふと思い出しました。これはちょっと古いのですが昨年の秋にKindle Fireを出した際のカスタマー向けメッセージの一部にあったものです。

There are two types of companies: those that work hard to charge customers more, and those that work hard to charge customers less. Both approaches can work. We are firmly in the second camp.

世の中には2種類の会社がある。カスタマーにより多くチャージする(つまり値段を高くする)ことに一生懸命な会社と、より少なくチャージする(つまり値段を安くする)のに一生懸命な会社だ。どちらのアプローチも正しく上手く行くはずだ。自分達は確固として後者の方だが。

これは明らかにAppleと比較しての表現なわけですが、シンプルでありながら非常に重要な考え方だと思うので記載しておきます。

もちろん会社のタイプの切り方は他にも色々できますが、こういうレベルこそが戦略だと思うわけです。戦略という言葉はあまりにも誤用多用されているので、意味合いを理解するのに良い例かと。

これは一見価格設定だけの話しに聞こえるかもしれませんが、実際は自社はどのようにビジネスを成立させ継続させていくのかという根本に至るものです。常に安く提供することをモデルとする場合には、それを実現させるための組織、カルチャー、流通経路、サプライチェーンを築き、適切なマーケティング等々を実行する必要があり、それは前者のプレミアムの価格でモノを提供する会社のそれとは大きく異なるはずです。

これは必ずしも最初から一貫してあるわけではありません。が、一歩下がってこのように考えることで次の打ち手が決まるかもしれませんので、自社はどういう会社かを振り返って定義してみてはどうでしょうか。

そういえば、日本でKindleはもう発売になったんでしたっけ?