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点と点をつなぐ

どうも。今日はちょっと趣向を変えて、ライフハック的なものを。

ワーク・ライフバランスなどの考え方でかなり共感する37signalsのJason Friedのブログに、点と点をつなぐことに関する考察があり、色々と思うところがあったので紹介します。

彼は先日ニューヨークタイムズに寄稿したのですが、その機会がどのようにして訪れたかについて、その実現に関わった事項(点)を過去に遡って想起しています。以下に一部を引用します。

Susan Lehman from the New York Times asked me to write an opinion piece for this sunday’s paper.

Because…

Susan liked what I had to say in my “Why work doesn’t happen at work” TEDx talk.

Because…

I was asked to speak at TEDx Midwest by Brad Keywell. Brad was one of the Groupon co-founders, and I met Brad because I served on the Groupon board from 2009 to 2010.

Because…

Andrew Mason, Groupon’s CEO, asked me to be on the board.

Because…

Scott Heiferman, co-founder of Meetup.com, and a mutual friend of ours, introduced Andrew and me and we had lunch in early 2009.

Because…

I had gotten to know Scott over the years after 37signals designed the original Meetup.com site back in 2001-2002.

Because…

Scott emailed me back in 2001 asking if he could meet while he was in Chicago visiting family. He liked our early web design work at 37signals. No one had ever asked to meet me out of the blue before – and barely anyone knew who 37signals was – so I was flattered and said yes.

Because…

とこんな感じで続くわけですが、要は、様々な出会いや出来事がその時点では互いに無関係で個別のものでも、後になって思いがけないことにつながったりする、そして、今起きている何かは過去のこうしたつながりから生じている、ということです。

これって本当にそうだな、と年をとるにつれ思うようになりました。若い頃は、何か目標なりを決めてその実現に必要なことを戦略的にしていかねば、というリニアな思考を持っていたし植えつけられていたような気がします。もちろん時間は有限ですから、方向を定めて確度をあげていくように随時判断とするということは必要なのですが、ある時点で一見無意味に思えることとか何につながるかわからない出会いとか、そういうことを「無駄」と思わずに行うと後々面白い方向に展開したりということがあります。

もし、先行きが不安とか何か停滞しているという感覚があるならば、誰か新しい人に会ってみたり、新しいことに手を出してみたりしてみることが重要なのだと思います。振り子はまず振ってみないと動かないですから。後にとんでもなく大きな振りになるかもしれませんし。

また、ちょっと凹んでいるときなどは、現時点の自分にどのようにたどり着いたかをこのように考察すると、意外と色々な努力や成果が結びついていることが分かったりして、ちょっと自信も復活するかもしれませんので、お試しあれ。

では今日はこの辺で。さあ、また秋からがんばりますか。

【Keyword】プロダクト/マーケット フィット

シリコンバレーのスタートアップ界隈で良く使われる(ようになってきた)重要な言葉や概念で、あまり日本では言われていないようなものについて、時折紹介しようと思います。分かりやすいようにタイトル上部にKeywordとつけておきますね。

第一弾の今日は、Product/Market FitまたはProduct-Market Fit、略してPMFということもあります。文字通り、製品と市場がフィットしているということなのですが、きちんと理解して実際に適応するには結構難しいものです。この言葉はかのMarc Andreessenが案出したと言われているもの。まずは彼の定義を引用します。

Product/market fit means being in a good market with a product that can satisfy that market.

つまり、良い市場を狙っていて、且つ、その市場を満足させることができる製品を持っている、という状態なわけです。更に、スタートアップの一生はPMF前とPMF後に分けられるとし、まずはそのフィットに到達することが、スタートアップにとっては何よりも重要だとしています。

ではこのフィットに達したかどうかをどのように見分けるのかというと、これがなかなか難しい。というか、明らかに達した場合は感覚で分かります。毎日ユーザー数がものすごく増えたり、どんどん売れて製造が追いつかなかったり、というイケイケな状況です。一方で、どれだけ到達に近いかを知るのは難しいですし(これに関する試みや考察はいくつかあるのでまた後日)、到達していない場合は色々と上手く行っていないのだけれど、このフィットに達していないことが理由だと認識できてない場合が多いです。

例えばフィットに達していない時の症状としては、そこそこユーザーや顧客もいるのだけれど、なかなかぐんと伸びないとか、口コミで広まらないとか、セールスに時間がかかりクローズしないとか、なんだかいけていない状況の数々が上げられます。こういう状態だと、往々にして、営業とかマーケティングの人たちが非難されることが多いのですが、実はそもそも製品と市場がフィットしていないから、むりやりトップラインを伸ばそうとしてもザルになっていて出来ないんですね。もしそういう状況があれば、特定部署を責めるのではなく、またフィーチャーをいじるのではなく、じっくり製品と市場を見直すことをお勧めします。

ではどのようにしてフィットに達するかというのは、それこそが勝負なわけですが、それを効率化する方法の一つがlean startupであったりcustomer developmentなのです。

上手くいっているスタートアップはどこもProduct/Market Fitに達しています。事後でしか分かりにくいという難点はあるのですが、非常に重要な概念ですので、抽象的な表現で分かりにくい場合は、成功例をいくつか見てみるのが良いかと思います。

—-<お知らせ>—-

お盆後なのでもう一度宣伝しちゃいます。前回のエントリーで書きましたが、こういうシリコンバレー・スタートアップネタの収集と英語学習を一石二鳥でおこなうプログラムをやりたいと思っています。詳細は↓で。

Startup English Hacks