VCの婉曲表現
今月最初の方に書いたVCに関する投稿(VCってどんな人達?)が好評のようでしたので、またVCネタを。
VCから投資を受けるのは一言でいえば、大変です。VCに舞い込んでくるビジネスプランの数は膨大で、その内実際に投資されるものはほんの一握り (1%とも言われています)です。どのVCのウェブサイトでも表向きはビジネスプランを受け付けていますが、このチャネルで相手にしてもらえる確率は非常に低いです。シリコンバレーの大手VCはウェブサイトから或いは郵送でのビジネスプランの送信、電話での売り込み等、知らない相手からのこういったインバウンドの問い合わせには一切応えないと公言していらっしゃる方も多いです。処遇の良し悪しは別として、これが現実です。
投資が受けられないからといって自分のベンチャーはだめなのか、と思う必要は必ずしもありません。VCそれぞれの成功法則に当てはまらないだけということが多いのも事実です。VCは数多くの案件の中から個々のベンチャーのアイディアとチームの良し悪しを見極めて投資すると思いがちですが、実際は業界やセクター(今だったらコンシューマーインターネット系、環境テクノロジー系が流行です)に投資することも多く、「良いチーム」とは以前に成功した既知の起業家或いはその人の紹介、ということを意味する場合もあります。自分のベンチャーが成功できるかどうか冷静に見つめる必要はありますが、VC投資を受験みたいに捉えてはいけません。要は相対的な基準なのです。VC以外にも資金を得る手立てはありますし、場合によってはキャッシュフローでやっていけることもあります。
さて、運良くVCにプレゼンする機会が得られたとして、そこから実際に投資を得るまでの道のりは長く、必要な資金額が多ければ多いほど大変です。何が一番大変かというと、なかなかYes or Noの返事がもらえず、プロセスのどの辺りにあるのか掴めないことです。と、いうのもVCはNoと言わないのです。退路は絶たないという戦術で、あるベンチャーがイマイチだと思っていても、もしかしたら上手くいく可能性もあるので、その時にパイがとれるように、ようは宙ぶらりんにしておくのが有効だからです。
そうとは知らずVCから投資を得ることに必要以上の労力をかけると、大変な無駄になります。ルールをわかってゲームをすべしです。そこで、基本的にはNoのサインである幾つかの表現を並べて見たいと思います。
“It’s not you, it’s me.” 「(悪いのは)君じゃなくて私の方だ。」
これはお察しの通り、別れの常套文句です。君のやっているベンチャーは良いのだけど、今の当社の状況ではすぐにアクションをおこせないんだ、という感じでやんわりと使われます。
“It’s not in our sweet spot.”
君のやっているベンチャーは良いのだけど、当社のおいしいところにぴったりくるものではないんだよね(なので時間かかってるんだ)、という感じ。
“If you get a lead, we will follow.” or “We love to co-invest with other VC.” 「もしリード(インベスター)を抑えたら、私たちも投資するよ。」 或いは「当社単一で投資するよりも他のVCと共同で投資したい。」
投資ラウンドを引っ張るメインになってくれる他のVCを探してこれたら当方も投資する、という意味で、要は良い投資だという証拠を抑えてからおいで、そうじゃないと危なくて投資できないよ、ということ。
“Show us some traction, and we’ll invest.” 「(顧客やパートナーからの)興味を引いてから、また見せてください、そのとき投資しますんで。」
有名な企業や数多くのユーザーを得てからだったら(話を聞いてあげる)、という意味。
“Stay in touch”「また連絡してください」
いわずと知れた、社交辞令です。特定の次のアクションがないものはほぼこれにあたります。
これはほんの一例に過ぎませんが、このように起業家の気分を害さないような婉曲表現を使うことで意見を明確にしないという方法が良くとられます。 VCのビジネスを考えれば納得なのですが、資金集めに躍起になっている起業家は、この反対側のルールを知らずにmaybeはyesだと解釈してしまいがちなので、お気をつけ下さい。楽観的であることは起業家には重要なのですが、それが仇になるときもあるのです。
こんなとこで、ではまた来週。
30. 10月 2006 at 6:50 pm :
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30. 10月 2006 at 11:37 pm :
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