エンジェル投資概況
どうも。ここ最近、幾つかお問い合わせがあったので、前回に続き、資金調達の話を。今回はエンジェルの投資概況です。
PEHubの記事によると、07年上半期のエンジェル投資は昨年同時期より減少しているそうです。一件ごとの投資額平均は減少し、個人投資家数は増えたものの一人当たりの投資額が減少したということ。あんまり良い話ではないですね。数字を引用します。
– 投資総額:$11.9 billion (昨年同期比6%減)
– 件数:24000件 (昨年同期比2%減)
– 業界は多岐にわたっており、ヘルスケアは全体の22%、ソフトウェアは14%、バイオテック、エレクトロニクス、コンピューターハードウェア、ITサービス、リテール、産業/エネルギー系が各10%程度
– 個人のエンジェル投資家数:140,000人 (昨年同期比8%増)
また、この記事によると、エンジェル投資にどうやらちょっとした変化がおきているようです。
While angels are best known for seed and startup-capital, researchers say they’re increasingly moving into later-stage investments. In the first half of the year, post-seed and post-start-up investments accounted for 48% of angel expenditures. Says Jeffrey Sohl, director of the Center for Venture Research: “While angels are not abandoning seed and start-up investing, it appears that market conditions, the preferences of large formal angel alliances, and a possible slight restructuring of the angel market are resulting in angels engaging in more later-stage investments. “
従来のシードよりも後の段階への投資が増えており、その理由は、個々人ではなくきちっとしたエンジェル集団の一員として投資することが好まれる傾向にあることと、エンジェル市場のちょっとした再編の可能性にあると。
以前お伝えしましたが、例えばCharles River Venturesが一口$250k程の投資をconvertible noteの形で行うようになるなど、VCがエンジェルの領域に入ってきているという流れがありますが、一方で、エンジェルが投資ステージとしてはVCの領域に入っているということになりますね。一時期の状況なのか、それとも何か構造的な変化が起こりつつあるのか、ちょっと様子見が必要そうです。
それにしても、エンジェルが組織化したものばかりになってしまうのは如何なものでしょうね。皆がVCと同様に詳細で長い案件採用プロセスを取るようになると、起業家にとってはちょっと厳しいですよね。
そんな訳であんまり明るい話ではないですが、起業家の皆様がんばって下さいねー。
ではまた。
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